【コラム】デジタルマーケティング

デジタルマーケティングについて議論していこう。

デジタルマーケティングが必要な理由

現状分析として、我が国の人口は減少傾向にあり、「消費する人」が減少傾向にある。これは酒業界にとっても例外ではない。そんな中、日本の酒類(家庭用)については9%のお客様が50%の金額を消費、サントリーについて目を向けると、5%のユーザで50%の金額を消費するというデータがある。つまり、サントリーにとってこれまで以上に「多く消費してくれる重要な顧客の囲い込み」が重要になってくる。重要な顧客について補足をすると、例えば居酒屋チェーンを例にとると、半分以上の売上が全体の10%ほどのヘビーユーザーに支えられているといった事例もある。

 そのため、デジタルマーケティングが必要な理由の一つは、重要な顧客は一握りであること(デジタルを使って、特定の重要顧客にアプローチ)、そして中国の事例のように、顧客接点のデバイスがスマーフォトンなどのデジタルにシフトしていることが挙げられる。

中国におけるデジタルマーケティング

デジタルマーケティングを語る際、現在では最も生活がデジタル化されている国とも言える「中国」に注目する必要がある。中国は、QRコード決済(モバイルペイメント)が一番普及されている国であり、アリペイやWECHATに代表される企業が決済業界で台頭している。圧倒的な顧客体験を提供する、シェアサイクルのようなデジタルサービスも成長著しい。中国の特筆すべき状況とは、サービス企業は顧客データを蓄積し、メーカーはPB供給会社に特化し、小売業は廃業拡大という流れになっている点である。つまり、顧客接点をデジタル化し、顧客データを握る企業が業界を牽引する構造に変化している。

 中国においての飲食店に目を向けると、デジタル化が著しく、注文や支払いは全てスマホ一つで行うといった店も今では珍しくない。店側では顧客の全ての注文が、顧客のID

と紐づいてデータ管理できるようになる。スーパーもデジタル化されており、アリババが運営している「フーマー」は大変人気である。フーマーの買い物はモバイルで行われる。お店にある商品はバーコードがついており、商品情報をスマホで読み取ることができる。

オンライン注文が売り上げの8割(注文後、30分以内に宅配)となっており、支払いは電子決済の「Alipay」のみである。中国で最もデジタルシフトに成功した企業は「中国平安」であり、1988年に13人で起業された小さな企業であったのが、デジタル化を推進し、現在では中国全土で140万人の従業員、売上は744億元(12兆円)となっている。「中国平安」保険の成功例は、代理店に保険加入者に対して保険の売り込みを行うことを依頼するという従来の保険のビジネスモデルではなく、代理店には保険加入者に対してアプリケーションを勧めるという手法を取っている。例えば、医療アプリをダウンロードすることで、保険料の支払いや顧客情報のスピーディな伝達を実現し、顧客の信頼を勝ち取りながら、平安保険は発展してきた。このように中国では「モノ」から「コト」というコトで顧客体験へのデジタルシフトが急速に進んでいる。

デジタルマーケティング国内事例

サントリーを例にあげよう。

デジタルマーケティングとして、売上が飲み悩んでいるウィスキー事業について、「角ハイボール」の売上を確保し、アンテナショップを出店し、商品を知ってもらう努力を行ったという具体的な事例がある。現代最古のバーボンである「メーカーズマーク」の売上を高めるため、ブランドの認知度やブランド理解に向けてのマーケティング施策が立てられ。具体的には、売れる場所を見極め(BARユーザ)、絞り込み、バーボンについて不足している認知・理解を獲得する方向のアクションが取られ、売上増につなげた。

デジタルマーケティングの成功に向けて

 デジタルマーケティングの成功に向けては、人材育成が欠かせない。これは端的に、デジタルマーケティングはマス広告のように総合広告代理店が存在せず、専門分化していることに起因する。デジタル人材の求められるスキルには、デジタルの基本フレームワークを理解し、専門知識を保有し、目的思考、ゴールから逆算できる論理的思考が必要となる。

当法人でも、マーケティング含めたコンサルティングを行っています。ステークホルダーのため、引き続き対応してまいります。

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